広報担当者向けに、会社案内パンフレット制作前の準備と、制作・印刷会社の選定基準、見積もり方法を解説します。
目 次
<前半>
1. 導入:広報担当者が知るべきパンフレット制作の重要性
2. 準備編:パンフレット制作前の基本チェックリスト
3. 業者選定のポイント:成功へのパートナーシップ
<後半>
4. 見積もりと予算管理:コストを抑えるコツ
5. 制作プロセスと進行管理:スムーズなプロジェクト運営への道
6. まとめ:効果的なパンフレットを通じて会社を輝かせる
1. 導入:広報担当者が知るべきパンフレット制作の重要性
会社案内パンフレットは、一言で言えば、企業の顔とも言えます。
商談等で初めてお会いする方に自己紹介するときに、第一印象を決める大切なツールです。パンフレット一つを通じて、企業の魅力や強み、そして何よりも「自社でなければならない理由」を伝えることができます。
だからこそ、広報担当者の皆様にとって、効果的なパンフレット制作は、非常に重要な役割だと言えます。
しかし、ただ単に情報を詰め込むだけでは、その価値は半減してしまいます。目を引くデザイン、わかりやすく伝える内容、そして読み手の心に響くストーリー。これらすべてが、絶妙なバランスで組み合わさった時、初めて「効果的なパンフレット」となります。
2. 準備編:パンフレット制作前の基本チェックリスト
効果的な会社案内パンフレットを制作するためには、準備段階が非常に重要です。
何事も計画なしに素晴らしい成果を出すことは難しいため、ここでは制作に入る前に確認しておきたい基本的なポイントをいくつか挙げていきます。
1. 目的の明確化
パンフレットを作る目的は何ですか?
新製品の紹介、企業の理念の共有、イベントの告知など、目的によって内容やデザインは大きく変わります。目的を明確にすることで、何を伝えたいのか、どのように伝えるべきかが見えてきます。
2. ターゲットオーディエンスの特定
誰に伝えたいのかをはっきりさせましょう。
ターゲットによって、言葉遣いやデザインのスタイルを変える必要があります。また、ターゲットの興味やニーズを理解することが、魅力的なコンテンツ作りにつながります。
3. 主要なメッセージの決定
パンフレットに何を伝えたいのか、3つから5つのキーメッセージに絞り込みましょう。情報過多になると、伝えたいことがぼやけてしまいます。
4. コンテンツのアウトライン作成
どのような構成で、どんな情報を載せるのか大まかなアウトラインを作ります。これにより、デザインや写真の選定、文章の作成に入る前に全体像を把握できます。
5. 予算の設定
パンフレット制作にはどれくらいの費用をかけられるか、早い段階で予算を決めておきましょう。予算に応じてサイズやページ数、デザインの方向性や印刷の仕様が変わるため、この段階で上限予算を明確にしておくことが重要です。
6. スケジュール
制作から印刷、配布に至るまでのスケジュールを立てます。余裕を持ったスケジュールを計画することで、予期せぬトラブルにも対応しやすくなります。
このチェックリストをもとに、効果的なパンフレット制作のための準備を進めましょう。計画的に取り組むことで、品質の高いパンフレットを制作することが可能になります。
3. 業者選定のポイント:成功へのパートナーシップ
パンフレット制作において、デザインや印刷を担う業者選定は成否を決定づける鍵を握ります。良いパートナーを見つけることができれば、プロジェクトの進行はスムーズになり、期待以上の成果を得ることが可能です。
ここでは、良い業者選定のためのポイントをいくつかご紹介します。
1. 実績と自社業界リテラシーの確認
業者を選定する際には、過去の実績や評判を確認します。このときに特に注意しなければならないのは、単に過去に受注した会社案内の印刷物サンプルを見るのではなく、その会社案内をどの段階から携わったか?という点に注目してください。
●初期の企画からコンテンツ作り、最終の印刷仕上げまで関与したのか?
●中間工程のレイアウトデザインから印刷仕上げまでを関与したのか?
●印刷のみに関与したのか?
など、必ずしもすべての工程に関与するケースは少ないのが実情です。この点を吟味して業者を絞り込むことが大事です。
また、企画やコンテンツづくりを売りにしている制作会社であっても、自社の業界リテラシーがない場合は、適切な企画やコンテンツづくりが思うように出来ないケースもあります。
まずは、自社の属する業界・業種や求めるスタイルに近いプロジェクトを手がけた経験があるかどうかを見ることが大切です。
2. 提案力の評価
単に要望に応えるだけでなく、自社では考えつかない提案をしてくれる業者を選ぶことが重要です。クリエイティブなアイデアや、予算内で最大の効果を出すための提案力は、良いパートナーシップの証です。
3. コミュニケーションのスムーズさ
プロジェクトを進行する上で、業者とのコミュニケーションは欠かせません。要望を正確に伝え、理解してもらえるか、また、進捗や問題点を適切に報告してくれるかなど、コミュニケーションのスムーズさも選定の重要なポイントです。
4. 柔軟性と対応力
進行中に変更や調整が必要になることは少なくありません。
予期せぬ問題に柔軟に対応し、解決策を提案してくれる業者を選ぶことが、成功への近道となります。
5. 見積もりとコストパフォーマンス
最終的には、提供されるサービスの質とコストパフォーマンスを比較検討することが必要です。
ただし、安さだけでなく、求めるクオリティを提供してくれるかどうかを見極めることがもっとも大切です。
6. WEBリテラシーの有無も考慮する
ネット&デジタル時代においては、会社案内パンフレットもWEBサイトに掲載されている情報コンテンツとの整合性や役割分担を考慮した企画提案ができる業者を選ぶことも考慮する必要があります。つまり、印刷物としての会社案内とWEBサイトの企画制作の両方に実績があり、かつリテラシーを備えた業者を選定することが望まれます。
外部業者へ提案・見積依頼をするために必要なRFP(提案・見積依頼書)の書き方は下のボタンをクリックしてください。
以上、良い業者を選定することは、時間と労力を要する作業かもしれませんが、その労力は確実に報われるものです。信頼できるパートナーと手を組むことで、想像以上のパンフレットが完成するでしょう。