閑話休題

見込形態のマーケティングの基本

今回は、事業形態別および売り先の業態を組み合わせた4つの象限ごとに、マーケティングの基本とも言える戦略を整理してご紹介します。

まず、下記の表をご覧ください。これは、前回(第7回)に説明した内容を整理したものです。

それでは、左上の「見込形態+BtoC」から説明を始めましょう。

このカテゴリーには、自動車メーカー、加工食品メーカー、服飾メーカー、マンションや建売住宅の販売を行う企業などが含まれます。これらはいわゆる「衣食住」に関連する個人消費の代表的な企業です。これらの企業の成功は、製品が市場で受け入れられるかどうかに大きく依存しています。ヒット商品を生み出せば大きな利益を得ることができますが、開発に巨額を投じた製品が市場で受け入れられなければ、急速に経営危機に陥ることもあります。実際、過去にはこのような理由で倒産や身売りを余儀なくされた企業も少なくありません。

そのため、「見込形態」の企業は、マーケティングの4Pの中でも特にプロダクト、すなわち「商品の研究開発」に注力します。製品が完成し、販売段階に入ると、プロモーション、つまり「商品の認知促進とブランディング」に力を入れます。例えば、大手企業では、消費者への認知を高めるために、インターネット時代であっても従来の4大マスメディアを利用することが多いです。また、インターネット広告では、様々なオンラインメディアに露出するディスプレイ広告を主軸に展開しています。

次に、「見込形態+BtoB」について説明します。

このセグメントには、ゼロックス、キャノン、リコーなどのコピー機メーカーや、業務用OA機器、工作機械、建設業界向けの特殊車両や工具、輸送業界向けのトラック、さらには旅客機などが含まれます。BtoB市場の企業は、限られた法人顧客をターゲットにしているため、テレビなどのマスメディアよりも、特定の業界に焦点を当てたプロモーションを展開します。例えば、業界向けの展示会への積極的な参加、ターゲット企業へのダイレクトメールの定期的な送付、テレアポによるアプローチなどが効果的です。経済誌や業界専門誌への広告掲載も積極的に行われます。インターネット広告では、ターゲットに合わせた限定的なメディアへのディスプレイ広告が有効な手段として用いられます。

次回は、「受注形態+BtoC」と「受注形態+BtoB」の2つの象限について、さらに詳しくお話しします。

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